シロアリ被害にあった構造材です。画像を見てもらうとよくわかりますが、中身はシロアリに食われ、もはや構造材としての役割はなんの意味もありません。総称して「シロアリ」と言いますが、ヤマトシロアリとイエシロアリとの二種類が日本に多く存在しているみたいで、住宅に深刻な問題を引き起こすのは、文字通り「イエシロアリ」のようです。

基本シロアリは地面から上がってくるようです。昔の物件は、基礎が布基礎で土間部分（地面）が土のままがほとんどでした。現在はベタ基礎ないし土間部分はコンクリート打ちの施工や土壌改良などが進んでいるので、そこまでシロアリの被害は見かけません。また土間が土でも風通しがいいと、これもまたシロアリ被害は見かけないことが多いですね。つまり床下の換気（通風）を良くし、なおかつ土間をコンクリートにする、要は木部を土に触れさせないことが基本の対策になります。この画像の柱ですが、シロアリは下から上に進行しますので、当然下部分はシロアリが食い散らかした事になっています。

これは先程の画像の上のカモイの部分です。ぱっと見たら気づきにくいですが、実はもう手遅れ。シロアリは木の内部から被害を及ぼします。

どうすればシロアリの被害にいち早く気づくことができるでしょうか？その一つの方法として、「蟻道」（ギドウ）と言うものがあります。文字とおり、シロアリの通った軌跡のことです。この画像の木部の模様のようなものが蟻道です。何かが伝ったような跡がわかります。

このように木の粉が落ちているのもよく見かけます。これはシロアリが木を食べた後に起きる現象のひとつで、ここまでくれば相当の被害が考えられます。