さて今回の工事は解体作業。写真でもわかりにくいですが最近では珍しい茅葺（かやぶき）屋根のお宅。茅（かや）の上に板金で屋根を覆っています。茅葺屋根は葛屋（くずや）とも呼びます。また使う材料によっては草葺（くさぶき）や藁葺（わらぶき）とも呼んだり。これ日本の伝統工法かと思いきや実はそうでもなかったりします。英国やドイツ、世界でも多くあるみたいですね。この工法のメリットはとにかく夏涼しい！そして完全なるエコハウスですね。自然素材うんぬんの比ではありません。あの有名な白川郷の屋根もこういった茅葺屋根ですね。しかし当然デメリットもあります。まずは火にものすごく弱い。そらそうでしょう。延焼の恐れが大きく、昔から市街地によってはこの茅葺は禁じられていたそうです。また素材の確保の難しさや、手掛ける職人さんがほとんど居なくなったりで最近ではほとんど見かけなくなりました。

これがその原因。シロアリでございます。さきほどこの茅葺屋根は涼しい！と言いましたが基礎部分の通気はほとんど無く、湿気臭さがすごかったとのこと。屋根は風が通りますが床下部分に風が通らないとダメってことです。湿気は地面から上がってくるもんですから。

これが屋根の組み方。今の屋根の構造仕様と全然違いますね。真っ黒なのはすす。このすすが防虫に役立ちます。